現在歩数4046歩
新しい入居者が来ていた。
最悪ではない。
最悪ではなかったが、なかなか大変な人が来た。
とにかく話が通用しない。
うーん通用しないというと語弊があるかも。
いや、ないか。
まず一番しんどかったのが、「自分の荷物がない」の連呼だった。
指輪がない、財布がない、色々入ってる箱がない、上着がない、などなど。
「家に帰る」までにはなかなか発展しなかったが、俺の荷物も漁られたし、職場のいろんなものに手を出されるのがしんどかった。
つまり持っていかれないように見張りながら夜勤業務をしなければいけなかった。
毎回毎回いろんなもの持ってこられて、「これは私のものですか?」「この中にありますか」とか聞かれるのもしんどかった。
どうしたらいいかわからない、とか何回も聞かれて、正直最終的には半ギレで「知らないよ」と言ってしまって、泣かせたりしてしまった。
泣いたといっても、涙が出てなかったし次の瞬間にはけろっとしていたのでウソ泣きかもしれない。
まあ財布も指輪もないというのでパニックになるのはわからなくもないが、施設に入れる利用者にそんなものを持たせておくわけがない。
それを説明したところで理解されるはずはなく、だいたいこの場所がどこで、自分がなぜここに連れてこられたのかわかっていない。
こうなってしまった利用者をどうするのかというと、ただひたすら「疲れて寝るモード」になるのを待つ。
認知症の人ってマジでけろっと今までずっと怒ってたこととか泣いてたこととか忘れるからな。
その後は割と朝までぐっすりだったので助かった。
助かったといえば、転倒リスクがそれほど高くない人だったのが本当に助かった。
それが最悪ではない点だ。
最悪の場合は車いすに乗っけて常にそばにおいて、立とうとするたびに座らせる、みたいな対応になる。
それをしながら他の人の対応をすることになる。
前の施設で働いていたとき、巡回するときも他の人のオムツ交換するときも、一緒に連れて行ってた。
最初から床におろしておけば転倒しないかというとそうでもない。
机につかまったりカーテンにつかまって立ち上がって転倒する、みたいなアクロバットなことをする。
まあそういうのを考えたらまだマシか。
ということで、少し仕事の大変さが増した。
ちなみに朝も朝食を食べさせておいて、「どれを食べればいいかわからない」と言われるのが5回ほど。
どれも糞も目の前のトレーに並べられたものは明らかに一人分の食事であり、全部食べればいいのである。
嫌いなモノだったりお腹がいっぱいだったら残していいですよ、と言うのだが「そうじゃない」とのこと。
ちょっと手をつけたあと、また「どれを食べればいいかわからない」。
最後は俺もあきらめて膳をさげた。
家に帰って、シャワー浴びて飯食って洗濯干して仮眠とった。
ベトネベード(知る人ぞ知る強い皮膚薬)、介護用の手袋を薬局で買った。
夕飯食べた。
父の作った麻婆豆腐。
辛くてうまかった。
母の持ってきたマロンパイもうまかった。
将棋勝った。
もこうのポケモン動画見たあとで七原くんの動画見てる。